2011/10/28(金)狼と香辛料
先週は火曜日に、1巻2巻を人に借りて読みどっぷりハマってしまい、
待ってれば貸してあげると言われつつも待てずに自分で買っての
それからほぼ1日1冊ペースで読んでいます。
今日は13巻を読み終えました。
行商人ロレンスと賢狼ホロがお金を儲けながらホロの故郷を目指して?旅をしていくお話。
旅の途中では事件に巻き込まれたり、情報を見つけるために危ない橋も渡ってみたり。
商いをする人間同士の交渉、腹の探り合い。思考と言葉、相手の反応と判断で儲けるか損をするかが分かれる。
大きな事件にも巻き込まれるのですが何とか挽回して儲けにつなげようとする思考を追いかけるのは、
知的好奇心をくすぐられる感じがして非常に楽しいです。ただ、時々難しすぎてついて行けないですが(笑
また、高校生ぐらいの主人公が多いラノベの世界では、主人公ロレンスは25歳という設定はなかなか珍しいように思います。
一緒に旅をするホロも齢何百歳という狼なので、二人ともしっかりと人物背景ができあがっている年齢設定。
軽口を飛ばし合う二人でも、その水面下では互いに相手の心の内を読んで会話の主導権を握ろうとしていたり
時と場所を変えてどちらかが落ち込めば、それぞれの考え方や気の回し方に沿って相手を慮*1ったり。
とにかく会話という会話が非常に丁寧に小気味よく描かれています。
互いの信頼も厚く(?)、いざという時には、互いに頭が回るからこそ合わせられる阿吽の呼吸。
こういうのは、高校生が主人公のボーイミーツガールではなかなか味わえないもので、
それはすなわち、大人のやり取りとでも言うのでしょうか……。
分別があって、物わかりが早くて、言葉の歯切れも良くて、そんな会話の相手がいて旅が楽しくないはずがない。
ちなみに、7巻とか11巻の短編は激甘ですがこれはこれでまたいいなぁとかなんとか。
物語に出てくる表現の幅が非常に多彩で、
出会った商人の雰囲気から二人の気持ちの揺れ動きまで繊細に描かれています。
この世にはこんなにたくさんの言葉があったんだ、こんな表現ができるものかと驚いたり。
物語の面白さを支えているのは、何より筆者のこの語彙力ではないかとか思います。
ファンタジーで旅でコミュニケーションを楽しむ。
私の求めていた世界がそこにはありました。辛口のホロには完全降伏です。
……ロレンスも時々かっこいいです。
と、まとまりもなくだらだら書いてしまいました。
あと4冊なので、来週中には読み終えてしまうのでしょう。
ああ。どんな結末を迎えるのか。楽しみです。